財産の額は聞かなくていい。置き場所だけ、先に聞いておく

親と財産の話がまだできていない、切り出し方が分からない、という方に、私が勧められることは一つだけです。金額の話はしなくていいので、「どこにあるか」だけ聞いておくこと。

うちは、父の相続の準備に1年半かけました。それでも漏れたのは、置き場所を確認していなかった小さなものでした。

口座も保険も、すべて分かっていた

父の相続の準備は、進んでいたほうだと思います。どこに銀行口座があるか、どんな保険に入っているかは、すべて把握していました。財産目録もできていました。この経緯は別の記事に書いています。

1年半かけて準備した。それでも遺言書は間に合わなかった

実家へも頻繁に通って、父の世話をしていました。だから、家の中の何がどこにあるかも、大体分かっているつもりでした。

それでも、マイナンバーカードで焦った

父を見送ったあと、マイナンバーカードが、あると思っていた場所にありませんでした。運転経歴証明書は財布に入っていたのに、マイナンバーカードは別の場所にしまわれていたのです。あれだけ通っていた家で焦るとは思っていませんでした。

もう一つあります。父が亡くなってしばらく経ってから、使っていないクレジットカードの年会費の請求が届きました。おそらく、父自身も忘れていた契約です。

どちらも、金額の大きな話ではありません。ただ、あるはずのものが出てこないと、金額と関係なく手が止まります。あることさえ知らなかった契約も同じです。

Ichi

口座や保険のような大きなものは、準備の中で把握できます。漏れるのは、本人ですら意識していない小さなもののほうでした。

金額の話と、場所の話

財産の話が切り出しにくいのは、金額に踏み込む話だからだと思います。親は値踏みされるようで身構える。子は当てにしているようで言い出しにくい。

置き場所を聞くだけなら、話は変わります。中身も金額も聞きません。「通帳や保険の書類は、どこにまとめてある?」で済みます。親を困らせないための質問です。

Ichi

1年半かけても、場所を確認していなかったものは漏れました。逆に言えば、場所を聞くだけの短い会話に、それだけの価値があるということです。

もう一歩、調べてみました

今回この記事を書くにあたって気になったのは、よその家はどうなのか、でした。そこでAIを使って深掘りしてみました。内閣府の調査によると、60歳以上の人のうち、相続の準備をしている人は13.6%、特に準備をしていない人は40.0%だそうです。

親の側でも、準備が進んでいないのが普通のようです。だからこそ、最初の一歩は小さいほうがいい。

私がいま聞くなら

いま親と話せるなら、私はこう聞きます。

  • 「通帳とか保険の書類って、どこにまとめてある?」
  • 「マイナンバーカードは、財布に入れてる? 別の場所?」
  • 「もう使っていないクレジットカードや口座って、ある?」

一度に全部を聞く必要はありません。一つ聞けたら、それで十分です。聞けなかったことは、また次の機会に。

親と話せるうちに確認しておきたいこと

  • 金額ではなく、場所から聞く。中身を開ける必要はありません
  • 一度に一つだけ。全部を聞き出そうとしない
  • 財布の外にある大事なもの(マイナンバーカード、印鑑、保険証券、不動産の書類)の置き場所
  • 本人も忘れている契約がないか。通帳やカードの明細に、定期的な引き落としが残っていないか
  • 聞けたことは、メモに残す。形式は自由です
  • 親が話したがらないときは、引く。関係を悪くしてまで聞く話ではありません

次に確認する

場所の話ができたら、次に聞く項目は親と話せるうちに確認するリストの「3. 書類 — 情報がある場所」にまとめています。登録も入力も不要です。

見送った後にどんな手続きが待っているかを先に知っておきたい方は、見送った後の手続きと期限の一覧をどうぞ。

制度と確認先

この記事は私の家族の体験をもとにしています。家族の関係や状況によって、話しやすい聞き方は異なります。無理に聞き出すことを勧めるものではありません。

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