冷蔵庫はすぐに片付いた。父の本は、まだ残っている

父を見送ったあと、一人で暮らしていた実家の片付けを始めました。冷蔵庫の中身はすぐに片付きました。父の本は、いまも大量に残ったままです。

忌引きの休みだけで終わる量ではありませんでした。手続きには期限があり、順番があります。片付けには期限がないぶん、いつまでも終わりません。ある意味では、相続の手続きより、こちらのほうが大変なのかもしれないと思っています。

何がどこにあるかは、把握していたつもりだった

実家へは頻繁に行っていました。だから、何がどこにあるかは大体分かっているつもりでした。

それでも、使っていないクレジットカードや、マイナンバーカードの行方は、すぐには分かりませんでした。運転経歴証明書は財布に入っていたのに、マイナンバーカードは別の場所にしまわれていたのです。

Ichi

本人には本人の分類があります。それは、どれだけ頻繁に通っていても、外からは見えません。

もう一歩、調べてみました

このとき気になったのは、カードが見つからないと手続きが止まるのか、でした。そこで深掘りしてみました。市区町村の案内によると、亡くなった方のマイナンバーカードは、死亡届が出されて住民票が消除されると自動的に失効し、法令上、返納の義務はありません。

つまり、カードが見つからなくても、それだけで手続きが止まるわけではありませんでした。ただし、相続などの手続きで使う場面があるため、見つかったら当面は保管しておくのがよいようです。

カードを止め、電気と水道を引き継いだ

父はオンラインのサブスクリプションを多用する年ではなかったので、契約まわりはクレジットカードを止めることで、わりとすんなり進みました。電気代や水道代は、とりあえず私の名義に変えました。

それでも、葬儀の準備で忙しい中でのこの作業は、大変でした。期限のある手続き全体の順番は、見送った後の手続きと期限の一覧に整理しています。

冷蔵庫はすぐに片付いた

家財の片付けで最初に手を付けたのは、冷蔵庫の中身でした。これはすんなり終わりました。やらないと腐ってしまうからです。

問題は、放っておけるもののほうでした。

困ったのは、思い入れのある品

洋服、愛用品、思い入れのある品。この処分には困りました。

自分が使えるものは、形見の品としていくつかもらいました。ただ、洋服はサイズが合いません。ほとんど捨ててしまいました。

洋服はまだ、普通のゴミとして出せます。本当に困ったのは、その先でした。

粗大ゴミは出す日に縛られる

粗大ゴミは、自治体のルールに従って出す必要があります。収集の日に合わせて実家へ行かなければならず、処分費用もそこそこかかりました。

Ichi

離れて暮らしていると、この日に縛られることが一番の負担になります。自分の生活があり、仕事があり、そのうえで収集日に合わせて実家へ通うことになるからです。

父の本は、まだ残っている

読書が趣味の人でした。だから、本がたくさんあります。

本は重い。そして、束になった本をそのまま燃えるゴミに出してよいのかも、よく分かりませんでした。結果として、いまも大量に残ったままです。

もう一歩、調べてみました

本を前にして気になったのは、束のまま燃えるゴミに出してよいのか、でした。そこで深掘りしてみました。廃棄物処理法によると、家庭ゴミの処理は市区町村の仕事と定められていて、本を資源として回収するのか、燃えるゴミとして出せるのか、一度に出せる量に制限があるのかは、実家のある市区町村ごとに決まっています。

分別ルールは全国一律ではありませんでした。自分の住む町のルールで考えても、答えは出ないということです。

家電は処分業者に引き取ってもらった

買ったばかりの家電もありました。自分の家に持って行こうかとも考えましたが、冷蔵庫や洗濯機のような大きな家電は、おいそれとは運べません。リサイクルに出すことも考えましたが、そのために使う時間を考えて、処分業者にまとめて引き取ってもらう道を選びました。

正直に書くと、私は業者の許可の有無を確認せずに頼んでいました。結果として問題はありませんでしたが、大型の家電には粗大ゴミに出せないものがあることも、家庭の不用品の回収に市区町村の許可が必要なことも、あとから知りました。制度の中身は、記事の最後にまとめて載せておきます。

父が減らしてくれていた

それでも、うちはまだ楽なほうだったと思います。

父は生前、洋服をだいぶ減らしてくれていました。残っていたのは、すぐに捨ててもいいと思えるような服だけでした。これは、本当にありがたかった。

Ichi

物が多い人が亡くなった場合、残された家族は処分にもっと困るはずです。片付けの大変さは、亡くなった後の家族の頑張りではなく、生前にどれだけ減っていたかで、ほとんど決まっているのだと感じました。

そして、ふと自分のことを考えました。私は父と違って、いろいろなサブスクリプションを契約しています。いま私が死んだら、残された家族は父のときより苦労するだろうな、と思ってしまいました。

なお、実家そのものをどうするかは、まだ考えている段階です。これは片付けとは別の、もっと大きな宿題として残っています。

親と話せるうちに確認しておきたいこと

  • マイナンバーカード、使っていないクレジットカード、保険証券など、財布の外にある大事なものの置き場所
  • 電気、水道、ガス、通信など、毎月の支払いがどの口座・どのカードから引き落とされているか
  • サブスクリプションなど、明細を見ないと分からない契約がないか
  • 思い入れのある品はどれか。誰かに渡したいものがあるか
  • 大きな家具や家電を将来どうするつもりか。処分するなら、実家のある市区町村の粗大ゴミのルール
  • 本やコレクションなど量の多いものについて、本人はどうしたいと考えているか

全部を聞き出す必要はありません。「大事なものはどこにあるか」だけでも、残される側の負担は大きく変わります。

次に確認する

片付けを業者に頼むか、自分でやるか。見積もりの取り方や業者選びの考え方は、実家の片付け・生前整理の見積もりガイドに整理しています。

親とまだ話せる方は、親と話せるうちに確認するリストの「家 — 実家と家財のこれから」から、物の置き場所の話をしてみてください。

制度と確認先

片付けや処分の進め方は、家の状況、実家のある地域、家族の事情によって結論が変わります。処分方法に迷う場合は、実家のある市区町村の窓口へご確認ください。

この記事は私の家族の体験をもとにしています。片付けの量、処分の費用、業者の対応は家庭ごとに大きく異なり、同じ進め方がすべての家庭に当てはまるとは限りません。

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